肺癌とかを見逃してしまわないか怖いです。
こんな疑問に答えていきます。
この記事の内容
- 胸部レントゲンでの肺癌の所見
- 肺癌が見逃されやすいパターン5選
執筆者:ひつじ
- 2009年 研修医
- 2011年 呼吸器内科。急性期病院を何か所か回る。
- 2017年 呼吸器内科専門医
胸部レントゲンって、いつか肺癌を見逃してしまわないか不安になりますよね。分かります。管理人もいつも身を引き締めています。
たとえば、この画像ではほとんどの人は気づくことができます。
問題は、非常に紛らわしいようなものがあること。ただ、いくつかポイントを押さえておくことで、かなり見落としは減らすことができます。
今回はこの点を解説していきます。今回の記事を読むことで、肺癌の見逃しやすいパターンを理解できます。
普段レントゲンを見る機会がある方は、ぜひ参考にしてみてください!
Youtubeでも解説しています。動画の方がいい方はこちらもご覧ください!
肺癌の見逃しやすいパターン5選
結論から言えば、この5つです
- 肺尖部
- 肺門部
- 肋骨との重なり
- 心陰影との重なり
- 横隔膜との重なり
大事なので、図でも示します。
練習をつめば、ある程度紛らわしいものでも分かるようになります。
では、一つずつ例を見ていきます。
見落としやすい場所①:肺尖部
肺尖部は、肺自体よりも周りの軟組織が多くなります。腫瘍があったとしても、周りと区別がつきづらい場所です。
上の図でも、丸でかこった場所に腫瘍があります。
分かりにくいと思いますが、ポイントは反対側と比べてみることです。
見落としやすい場所②:肺門部
肺門部は、肺動脈などの血管を中心とした臓器が多いため、腫瘍があっても区別がつきにくいです。
図でいうと、丸の部分に腫瘍があります。先ほどと同様に、ポイントは左右を見比べていくことです。
見落としやすい場所③:肋骨との重なり
肋骨がちょうど重なって見える場所は、何もなくても少し濃く見えます。ここに小さな肺癌があると、正常と非常に紛らわしくなります。
図でいうと、丸で囲った部分です。周りに比べて少し色が濃いのが分かりますでしょうか。
ここでもポイントは、左右を見比べていくことです。
見落としやすい場所④:心陰影との重なり
もともと心臓に隠れて真っ白に映る場所なので、ここに腫瘍があっても気づきにくいことが多いです。
図でいうと、丸で囲った部分です。ここに、ちいさな腫瘤があるのがわかりますでしょうか。
まとめ
ここで、内容を振り返ります。
- 肺癌を見落としやすい場所を知っておく。
- 見落としやすい場所は、肺尖部、肺門部、肋骨との重なり、心臓との重なり、横隔膜との重なり。
- ややこしければ、左右を見比べてみる。
大事なポイントは本当にこれらくらいです。しかし、見慣れないと実際はなかなか難しいかもしれません。
何も知らないよりは、こういったポイントを押さえながら見る方が、早く成長できるようになります。
ぜひ、本日解説した場所を注意しながら、レントゲンを読んでいってください。
何となく分かった気もするけど、覚えられない。多分明日には忘れてる。
そんな人のために、クイズを用意してみました。
>>肺癌のレントゲン、見逃しやすいパターン【クイズで学ぶ】
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また、キャリアアップで最も大事なのは、働く環境だったりします。どんな症例が経験できるか、まわりの人間関係などで、力がつけられるかは大きく変わります。
より呼吸器が学べる職場を見つけたい人は、【保存版】医師転職・完全ガイド【転職したことない人向け】にまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。