ネーザルハイフローの看護に必要な観察項目・設定の仕方を解説【一人でできる】 | コキュトレ
酸素療法コース

ネーザルハイフローの看護に必要な観察項目・設定の仕方を解説

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2020年12月15日 (更新日:2023年3月26日)
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看護ではどこを観察すればいい?

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設定はどうしたらいいですか?

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ネーザルハイフローの準備のしかたが分からない

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使い方で特にミスが起こりやすいところを知りたい

こういった疑問に答えていきます!

執筆者:ひつじ

  • 2009年 研修医
  • 2011年 呼吸器内科。急性期病院を何か所か回る。
  • 2017年 呼吸器内科専門医

ネーザルハイフローって、たいていの人はたまにしか担当することがないから、なかなか覚えられないのが現状ではないでしょうか。そのたびに調べ直したりの繰り返しもしんどいですもんね。

ここでは、ネーザルハイフローの看護や設定の仕方で必要な内容を、最短で把握できるようにまとめました。

この記事を読むことによって、ネーザルハイフローが一人で準備・看護できるようになります。

  1. ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)の看護で必要な観察項目
  2. ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)の準備の仕方
  3. まとめ

Youtubeでも解説しています。動画の方がいい方はこちらもご覧ください!

ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)の看護で必要な観察項目

参照:日本呼吸器学会 酸素療法マニュアル

酸素療法、ネーザルハイフロー

まず前提ですが、機種によって違いがあります。最終的には施設ごとに確認してください。

今回は一例ですが、日本国内はほぼこれでいけると思います。

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看護ではどこを観察すればいい?

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使い方で特にミスが起こりやすいところを知りたい

では、ネーザルハイフローを看護で観察する項目を以下にあげました。

  • 本体:コンセントの接続、酸素・空気配管の接続
  • 回路:回路内の水の除去、ねじれ、ゆるみなど
  • 設定:流量、酸素濃度
  • 加温加湿器:設定温度、水の量、電源など
  • 鼻カニュラ:折れ曲がっていないか、ネックストラップ
  • 患者の状態:意識、呼吸音、胸郭の動き、喀痰、胃部膨満感

一つずつ見ていきます

本体

本体で気にするところはこれらです。

  • 加湿器のコンセントさし忘れはないか
  • 酸素配管、空気配管はきちんと接続されているか

加湿器のコンセント忘れは、インシデントの多い場所です。

酸素配管、空気配管は、ネーザルハイフローの場合きちんとささっていないと、アラームがなります。

また、多くのNasal High Flow®は黄色の空気配管がないと使えません。使い始める時は、空気配管があるベッドか確認しましょう。

酸素療法、ネーザルハイフロー

回路

回路で気にするのはこのあたりです。

  • 回路内に水が溜まっていないか
  • ねじれ、ゆるみはないか

加湿をかけるため、回路の中に結露が貯まります。患者さんの方に水が流れないよう注意します。

結露が多く水が溜まっていたら、捨てる必要があります。

また、結露が全くないと加湿不足です。鼻粘膜が傷んでしまうため、加湿の設定をあげましょう。

設定の仕方

ネーザルハイフローの設定項目は多くなく、下の2つくらいです。

  • 流量はいくらか?
  • 酸素濃度はいくらか?

ネーザルハイフローはここで空気と酸素を混ぜて、FiO2を調整しています。

酸素療法、ネーザルハイフロー

左側のつまみで流量を調整し、右側で酸素濃度(FiO2)を調整します。

このうち、SpO2に大きく影響するのはFiO2です。なので基本的にいじるのはFiO2です。

酸素濃度(FiO2)はSpO2を見ながら調整します。SpO2が低ければ酸素濃度をあげるし、SpO2が高ければ酸素濃度を下げます。よくある指示は次のようなものです。

SpO2の目標:90~94%
SpO2 90%以下→FiO2 5ずつUp
SpO2 94%以上→FiO2 5ずつDown
FiO2 Max100%、Min21%
FiO2 60%以上になればDr Call

流量は、最低30L/分があれば、あとは40でも50でもそう大きく問題ではありません。最初に決めておいて、あとは固定でいいでしょう。なぜ30なのかは、[ベンチュリーマスクとインスピロンとは?何ができる?実際どう使う?]に詳しく解説しました。興味のある方はご覧ください。

ちなみに、流量はフロートのどの部分で見るのでしょうか?

正解は天井部分です。上の線ですね。

加温加湿器

加温加湿器はインシデントの多いところです。これらに気を付けます。

  • コンセントはささっているか
  • 電源が入っているか
  • 注射用水は点滴の要領で流す
  • 空気孔があいているか
  • 十分と温まっているか
  • 加湿用の水がなくなっていないか
酸素療法、ネーザルハイフロー

加湿器は、注射用水を点滴の要領で流していきます。この時、図の空気孔がしまったままじゃないかを確認してください。

患者さんに始めるときは、しっかり温まるのを確認してから始めましょう。管理人は自分でネーザルハイフローを試したとき、温まってない状態ではかなり鼻が痛かったです。

温度は35℃程度です。NPPVは30℃程度なのでやや高めです。

加湿用の水がなくなって空焚きになっていないか、注意しましょう。

鼻カニュラ

  • 折れ曲がっていないか
  • 凸になっている方を上にする
  • ネックストラップをかける
  • ずれていないか

このあたりがポイントです。

酸素療法、ネーザルハイフロー

凸になっている方を下にすると、折れ曲がってうまくいかないこともあります。

また、ネーザルハイフローのカニュラは若干重いので、ネックストラップをかけないと外れやすくなります。

ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)の準備のしかた

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ネーザルハイフローの準備のしかたが分からない

先ほどの[ネーザルハイフローの観察項目]でもみましたが、Nasal High Flow®は下の図の要素によって構成されます。この順になるように回路を組んでいきます。

酸素療法、ネーザルハイフロー
  • Nasal High Flow、酸素療法
  • 酸素配管、空気配管
  • ブレンダー、酸素流量計
  • 加温加湿器
  • 鼻カニュラ

まとめ

最後に、観察項目をもう一度振り返ります。

  • 本体:コンセントの接続、酸素・空気配管の接続
  • 回路:回路内の水の除去、ねじれ、ゆるみなど
  • 設定:流量、酸素濃度
  • 加温加湿器:設定温度、水の量、電源など
  • 鼻カニュラ:折れ曲がっていないか、ネックストラップ
  • 患者の状態:意識、呼吸音、胸郭の動き、喀痰、胃部膨満感
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何となく分かった気もするけど、覚えられない。多分明日には忘れてる。

というわけで、クイズを用意してみました。
>>ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)の使い方を解説【クイズで学ぶ】

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勉強会での準備が大変

勉強会の準備って、とにかく大変ですよね。準備自体が自分のためになるのは分かるけど、たいてい10時間以上かかったりするし。

  • このブログ記事の元ネタのパワーポイントをnoteでダウンロードできます。[こちら]からご覧ください。

以上、参考になればうれしいです。明日からの聴診にぜひ活かしてみてください!