オキシマイザーの酸素濃度は?【カニューレ、リザーバーマスクとの違いも解説】 | コキュトレ
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オキシマイザーの酸素濃度は?【カニューレ、リザーバーマスクとの違いも解説】

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2020年10月13日 (更新日:2023年3月26日)
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オキシマイザーって何?酸素濃度は?

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カニューレ、マスク、リザーバーマスクとの違いは?

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具体的にどう使い分けたらいいの?

こういった疑問に答えていきます。

この記事の内容

  • オキシマイザーについて
  • カニューレ、リザーバーマスクなど他の酸素療法との違い
  • それぞれの器具の使い分け

執筆者:ひつじ

  • 2009年 研修医
  • 2011年 呼吸器内科。急性期病院を何か所か回る。
  • 2017年 呼吸器内科専門医

オキシマイザーってここ最近出てきたもので、病院で導入し始めたところっていうのも多いと思います。最初はよくわからないと思うので、オキシマイザーを中心に他の酸素療法も解説していきます。

この記事を読むことによって、一般病棟でよく使うような酸素器具はほぼ問題なく使えるようになります!

  1. オキシマイザーとは
  2. 他の酸素療法と注意点:カニューレ、オキシマイザー、マスク、オキシマスク、リザーバーマスク
  3. 具体的な使い分け
  4. NPPVやネーザルハイフローとの違いは?【酸素療法を大きく3つに分けます】
  5. まとめ

Youtubeでも解説しています。動画の方がいい方はこちらもご覧ください!

オキシマイザー®とは

オキシマイザー®は、鼻のところに小さな袋がある酸素器具です。写真でお見せします。

酸素療法、低流量系システム
出典:Nihon Rufuto

袋の役割が気になりますよね。

ここの役割は、呼気の間に流れてくる酸素を袋にためて、吸うときに多めの酸素を吸えるようにすることです。これをリザーバー機能といいます。

カニューレやマスクなどに加えて、2L程度の効果を上乗せすることができます。

例えば、オキシマイザー3Lならカニューレ5Lとほぼ同じ効果です。

そのほか、以下の特徴があります。

  • 流量:7Lまで
  • 8Lを超えるとリザーバー機能を超える。
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カニューレとかリザーバーマスクとか、他のものとの違いも知っておきたい

では、そこも併せて解説していきます。

他の酸素療法と注意点:カニューレ、マスク、オキシマスク、リザーバーマスク

主にはこのあたりを知っておくといいでしょう。

  • カニューレ
  • オキシマイザー
  • マスク
  • オキシマスク
  • リザーバーマスク

オキシマイザーは先ほど見たので、それ以外の4つを見ていきます!

カニューレとは

酸素療法、低流量系システム

カニューレの特徴はこちらです。

  • 流量:6Lまで
  • 7Lを超えると鼻粘膜が障害される

マスクとは

酸素療法、低流量系システム

マスクの特徴はこれらです。

流量が少なすぎると、マスク内にCO2が貯まるので注意してください。

  • 流量:4L~6L
  • 3L/分以下だとマスク内にCO2貯留

オキシマスク®とは

酸素療法、低流量系システム

オキシマスク®のメリットは、一つのマスクで1~15Lまでカバーできるところ。

また、写真もご覧ください。マスクに大きな穴が開いているのが分かりますでしょうか。

この穴のため、喀痰を吸引ができたり、ストローで水を飲めたりもします。

  • 流量:1L~15L
  • CO2がマスク内に溜まりにくい
  • 喀痰を吸引ができたり、ストローで水を飲めたりする

リザーバーマスクとは

酸素療法、低流量系システム

最後にリザーバーマスクです。

マスクの先についている袋は、さっきのオキシマイザー®と同じ働き(リザーバー)です。

  • 流量:6L~15L
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具体的にどう使い分けたらいいの?

では、次にそれぞれの使い分けを解説します。

具体的な使い分け

下の内容が使い分ける時の目安となります。

酸素濃度による使い分け

患者さんのSpO2をあげたければ、酸素濃度(FiO2)をあげる必要があります。

重症な患者さんほど、高いFiO2が必要です。

酸素療法、低流量系システム

この表のように、患者さんの酸素の状況に応じてデバイスを使い分けます。

なお、1LでFiO2 4%ずつ増えるのは知っておくと便利です。

口が開くかどうか

カニューレ、オキシマイザーは口が開くので食事もできます。

オキシマスクはマスクの穴が大きいので、ストローで水くらいなら飲めます。

デバイスの特性

例えば、オキシマスクはそれのみで1L~15Lまで対応できるので、付け替えの必要がありません。

NPPVやネーザルハイフローとの違いは?【酸素療法を大きく3つに分けます】

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NPPVやネーザルハイフローとの違いは?

ここは少し発展編です。

酸素の器具の種類といえばどんなものが思い浮かびますか?
代表的なものをあげるだけでもこれくらいあります。

酸素療法、低流量系システム

覚えられないですね。というわけで、ここでは3種類に分類します。

  • 酸素流量(L/分)で調整するもの:カニューレ、オキシマイザー、マスク、オキシマスク、リザーバーマスク
  • 酸素濃度(FiO2)で調整するもの:ベンチュリーマスク、ネブライザー付酸素吸入器、Nasal High Flow ®
  • CO2を吐かせるもの:NPPV、人工呼吸器

図でも示します。

酸素療法、低流量系システム

酸素療法を勉強するにあたって、この分類はかなり重要です。分類ごとに役割が違うので、患者さんに使っている器具が、どんな役割なのかも大まかに理解できるようになります。

今回解説したのは、「酸素流量(L/分)で調整するもの」のグループです。

一般病棟で使うものは、ほとんどこれらに含まれるはずです。ほかのグループは、ICUが多くなってきます。

これらを説明するとかなり長くなります。他のグループも知りたい人はこちらを先ほ参考にしてみてください。
>>ベンチュリーマスクとインスピロンとは?何ができる?実際どう使う?
>>ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)の使い方を解説【設定や観察項目も】
>>NPPVの使い方や観察項目を解説【1人で準備できるようになる】

まとめ

今回の内容をおさらいします。

  • 酸素流量(L/分)で調整するものにカニューレ、オキシマイザー、マスク、オキシマスク、リザーバーマスクがある。
  • カニューレ、オキシマイザー、マスク、オキシマスク、リザーバーマスクの酸素流量を抑えておく。
  • 口が自由になるものなど、デバイスの特性を抑えておく。

このあたりを抑えれば、一般病棟でよく使うような酸素器具はかなり使いやすくなります。明日からの仕事にぜひ活かしてみてください!

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何となく分かった気もするけど、覚えられない。多分明日には忘れてる。

というわけで、クイズを用意してみました。
>>酸素療法(カニューレ、オキシマイザーetc)の注意点は?【クイズで学ぶ】

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もっと得意になりたい

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勉強会での準備が大変

勉強会の準備って、とにかく大変ですよね。準備自体が自分のためになるのは分かるけど、たいてい10時間以上かかったりするし。

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この記事は日本呼吸器学会 酸素療法マニュアルを参照しました。