人工呼吸器が全く分からない。略語が多いし、画面みても複雑だし。なにかいい本ないかなぁ。
こんな疑問に答えます。
執筆者:ひつじ
- 2009年 研修医
- 2011年 呼吸器内科。急性期病院を何か所か回る。
- 2017年 呼吸器内科専門医
筆者は呼吸器10年目で、呼吸ケアチームも同じ年数かかわっています。駆け出しのころは本当に分からなくて、いろんな本を読んでいました。
なかなか身に着けるのに時間がかかったけど、今から思えばもっと分かりやすい本を読めばよかったです。最初に読む本としてはあってなかったと思うけど、当時はそれすれら分からなかったんですよね。
今はその頃と比べて新しい本も出ています。それも読んでみて、改めて今オススメするならどの本がいいか、この記事でご紹介します。
kindleや楽天ブックスにあった口コミも合わせて紹介します。
分かりやすいよう、難易度の低い順からまとめています。
- 看護の現場ですぐに役立つ人工呼吸ケアのキホン
- これならわかる!人工呼吸器の使い方 初期対応から設定、管理、抜管まで
- 人工呼吸ケアのすべてがわかる本
- 人工呼吸器グラフィックモニターの基本
- Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
- 人工呼吸器トラブルシューティングセミナー
- まとめ:呼吸音の本のオススメはこれ!
看護の現場ですぐに役立つ人工呼吸ケアのキホン
人工呼吸器の看護を勉強する最初の一冊としてオススメ
メリット
- 内容が偏らずに網羅されていて、人工呼吸器のケアは一通り学べる
- 説明もかなり分かりやすい
- 最初の一冊としてオススメ。
デメリット
- 細かいとことで書いてない部分はある。
- 例えばグラフィック、代表的な機種など
- 慣れた人には物足りない
この本で一通り学べば頭の中に知識の棚ができるので、そこから疑問はネットなどでその都度解決するみたいなのでいい気もします。
こんな人にオススメ
- ICUで働き始めることになった1年目看護師
値段、サイズなど
- 1600円、156ページ、B5サイズ、2021年発売
内容紹介
人工呼吸器は、人命を預かる大切な機械です。しかし、覚えることがたくさんあるので、なんとなく敬遠して、そのまま苦手になっている方が多くいます。本書は、先輩に聞きにくい新人ナース、今さら聞きにくかったり、復習しておきたいベテランナースを対象に、人工呼吸器看護に求められる最新の基礎知識をポイントを絞って図解で丁寧に解説します。また、訪問看護師と介護家族、非専門医やプライマリケア医にもおすすめします。
(BOOKSデータベースより引用)
目次
chapter1 人工呼吸器はどんな人がつけているの?
chapter2 人工呼吸器を準備しよう
chapter3 人工呼吸器を装着している患者さんへのケアのポイント
chapter4 知っておきたい換気の仕組み
chapter5 アラームが鳴ったらどうする?
chapter6 気管挿管の介助をしよう
chapter7 呼吸器看護ケアの極意
chapter8 患者さんの変化に気が付くためには?
chapter9 合併症ってどんなもの?
chapter10 NPPV(非侵襲的陽圧換気)とは?
chapter11 小児の人工呼吸管理って?
chapter12 呼吸器Q&A
口コミ
わかりやすいです。初学者はこの本を1周すれば人工呼吸について詳しい本を読んだとしても抵抗感が軽減できます。
これならわかる!人工呼吸器の使い方 初期対応から設定、管理、抜管まで
人工呼吸器の看護を勉強する最初の一冊としてオススメ
メリット
- 内容が偏らずに網羅されていて、人工呼吸器のケアは一通り学べる
- NPPVや酸素療法も書いてある
- モードの説明はかなり分かりやすい
- 最初の一冊としてオススメ。
- こちらも分かりやすいが、「看護の現場ですぐに役立つ人工呼吸ケアのキホン」よりやや詳しい印象。
デメリット
- 慣れた人には物足りない
こんな人にオススメ
- ICUで働き始めることになった1年目看護師
値段、サイズなど
- 1800円、208ページ、B5サイズ、2018年発売
内容紹介
本書では、現場で人工呼吸器患者さんに接する看護師が、「見やすくて面白い」と思ってもらえるように、マンガ、図、表、チャートなどを用いて直感的にイメージしやすい構成にしました。ぜひ、読みやすいところ、必要なところから始めて、何が描いてあるか頭の中にイメージを残してください。
(BOOKSデータベースより引用)
目次
Part1 呼吸不全への初期対応
Part2 酸素療法
Part3 NPPV
Part5 気道確保
Part6 人工呼吸器の設定
Part7 人工呼吸器患者の状態管理
Part8 人工呼吸器からの離脱
口コミ
この本が一番理解しやすかったです。
従量式と従圧式の違いが波形のグラフィックと共に解りやすく解説されており、言葉の意味だけでなくモニターも理解できました
呼吸器を初めて見る人、基本的なことを知りたい人には勧めたい本です。
人工呼吸ケアのすべてがわかる本
人工呼吸器に慣れてきた看護師が2冊目に読んでいい本
メリット
- やや慣れた看護師向け
- 量が多く詳しい
デメリット
- 全くの初心者がいきなり読むのは難しい
- 量が多く詳しい分、モードや設定の説明は特に初心者は理解しにくい
こんな人にオススメ
- 人工呼吸器に慣れてきて、さらに全体的に詳しくなりたい看護師
値段、サイズなど
- 3200円、432ページ、B5サイズ、2014年発売
内容紹介
人工呼吸器のしくみや管理方法だけではなく、気道ケア、NPPV、小児の人工呼吸管理、在宅人工呼吸ケアまで、人工呼吸装着患者の「ケアのすべて」がギュッと詰まった決定版
(BOOKSデータベースより引用)
人工呼吸器グラフィックモニターの基本 教えて!先輩波形の読み方らくらくマスター
グラフィックに特化した一冊。本来なら難しい内容がかなりポップに書かれている。
メリット
- グラフィックという人工呼吸器で最も難しい内容が、マンガなどでかなりかみ砕いて説明されている
デメリット
- グラフィック以外のことは書いていない
- つまり、ある程度は人工呼吸器になれた人
こんな人にオススメ
- 人工呼吸器に慣れたけど、特にグラフィックが分からなくて勉強したい人
値段、サイズなど
- 2400円、144ページ、B5サイズ、2014年発売
内容紹介
グラフィックモニター読解への道は遠いようで意外と近い? 換気モードの基本を軽く押さえて、波形の読み方・異常の見つけ方へと、オヤジギャグ満載のまんがを読むだけでらくらくマスター。もちろん本文ではがっつり解説。新人さんからプリセプター、中堅層まで、楽しく読めてケアにつながる!
(BOOKSデータベースより引用)
口コミ
漫画になっているので、とてもわかりやすく楽しく勉強できます。
看護師なのですが、これで必要十分
Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
人工呼吸器を勉強する医師が最初によむ一冊としてオススメ
メリット
- 医師が人工呼吸器を学ぶ最初の一冊としてはこれがオススメ
- モードや設定は特にオススメ。コアとなる考え方を中心に書かれている。
- 病態生理からモードの説明なども網羅
デメリット
- 合併症、呼吸ケアといった、実践で避けて通れない部分は書いていない。他で勉強が必要。
こんな人にオススメ
- 研修医をはじめとする医師が最初に勉強する一冊
- 看護師もガチ勢は読んでよい
値段、サイズなど
- 5000円、378ページ、B5サイズ、2014年発売
内容紹介
実践力が身につくケーススタディも充実。初期設定→設定調節→抜管・離脱。病状の進行に応じてステップごとに解説!
(BOOKSデータベースより引用)
目次
人工呼吸10箇条/呼吸不全の考えかたー人工呼吸に強くなるための基礎知識/病態ごとの治療がわかる人工呼吸の考えかた/人工呼吸器のモードー基本のA/C、SIMV、CPAPをおさえよう/人工呼吸器設定(まずは従量式(VCV)の設定を理解しよう/従圧式(PCV)の考えかたとその他のモード)/人工呼吸器モニターー患者さんの肺の状態を把握しよう/酸ー塩基平衡ー血液ガスを使いこなそう/トラブルシューティングー原因を鑑別して対処するコツ/人工呼吸器離脱ーSBTでとりあえずやってみる!/NPPV-気管挿管をしない人工呼吸とは/病態別アプローチ
口コミ
読みやすい、分かりやすい
訳の分からない略語とアルファベットにアレルギーが出て、人工呼吸器のことは全く勉強してきませんでしたが、これならスッキリ!わかりました。
人工呼吸器トラブルシューティングセミナー
人工呼吸器のアラームや困ることはこの本に網羅されている
メリット
- アラームやトラブルを学ぶにはこれがベスト
- 網羅的に書かれているため、人工呼吸器での普段の悩みはだいぶ解決される
デメリット
- 人工呼吸器の知識があるのが前提
- 何年か人工呼吸器に触れたあとに読まないと意味がない
こんな人にオススメ
- 人工呼吸器に何年かふれて、アラームやトラブルも経験している人。
- 医師向けの本だが、看護師でもOK
値段、サイズなど
- 3600円、224ページ、A5サイズ、2019年発売
内容紹介
人工呼吸器は、人命を預かる大切な機械です。しかし、覚えることがたくさんあるので、なんとなく敬遠して、そのまま苦手になっている方が多くいます。本書は、先輩に聞きにくい新人ナース、今さら聞きにくかったり、復習しておきたいベテランナースを対象に、人工呼吸器看護に求められる最新の基礎知識をポイントを絞って図解で丁寧に解説します。また、訪問看護師と介護家族、非専門医やプライマリケア医にもおすすめします。
(BOOKSデータベースより引用)
口コミ
各エピソードの人工呼吸器のトラブルを学べる
平易にまとめられていて頭に入りやすいです
まとめ:呼吸音の本のオススメはこれ!
人工呼吸器を勉強する看護師の最初の一冊としてオススメ
看護の現場ですぐに役立つ人工呼吸ケアのキホン
これならわかる!人工呼吸器の使い方 初期対応から設定、管理、抜管まで
ざっくり言うと、「看護の現場ですぐに役立つ人工呼吸ケアのキホン」の方がより初心者向けです。でも、どちらも分かりやすくてオススメできます。
本当に自信がない人は「看護の現場ですぐに役立つ人工呼吸ケアのキホン」で、そこまででもない人は「これならわかる!人工呼吸器の使い方 初期対応から設定、管理、抜管まで」でいいと思います。
これで人工呼吸器のケアに必要な知識は一通り学べます。これらの本で知識の棚を頭の中に作っておいて、働いていてさらに知りたい点が出てきたらネットで深めていくというようのがいいと思います。
人工呼吸器を勉強する医師の最初の一冊としてオススメ
Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
自分が研修医の時にこの本が出てたらと思います。マニアックなモードの勉強ばっかりやって、何が人工呼吸器で大事か分かっていなかった。この本は、医師が人工呼吸器を勉強する上で大切なポイントがちゃんと強調されていて素晴らしいです。なおかつ、説明が読みやすい。まさに「医師の最初の一冊」として最適です。
補足するなら、ガチ勢の看護師も読んでいい本です。
人工呼吸器に何年か触れたあとにぜひ読んでおくべき一冊
人工呼吸器トラブルシューティングセミナー
人工呼吸器に触れていると絶対であう、アラームやトラブルの数々。でも、これって結構分かりにくいんですよね。曖昧な状態の人も多いと思います。この本は小さくてすぐ読めるのに、内容は網羅できているという奇跡の一冊です。医師も看護師も、何年か経ったら読んでおくべき本です。
以上、参考になれば幸いです!