COPDの患者さんをよく見るから勉強しなきゃだけど、いろんな本があってどれがいいかわからない。
こんな疑問に答えます。
執筆者:ひつじ
- 2009年 研修医
- 2011年 呼吸器内科。急性期病院を何か所か回る。
- 2017年 呼吸器内科専門医
筆者は呼吸器10年目で、いろんな呼吸器の本を読んでいました。
だけど、今から思えばもっと分かりやすい本を読めばよかったってことも多いです。最初に読む本としてはあってなくて遠回りをしたけど、当時はそれすれら分からなかったんですよね。
今はその頃と比べて新しい本も出ています。それも読んでみて、改めて今オススメするならどの本がいいか、この記事でご紹介します。
分かりやすいよう、難易度の低い順からまとめています。
- COPDの教科書: 呼吸器専門医が教える診療の鉄則 / 倉原優、林清二
- あなたも名医! COPD患者さんを診るための25のコツ─治療・リハ・管理のギモンを一挙解決! / 大藤貴(編集)
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン〈2018〉 / 日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版作成委員会 (編集)
- まとめ:COPDの本のオススメはこれ!
COPDの教科書: 呼吸器専門医が教える診療の鉄則 / 倉原優、林清二
研修医からコメディカルまで、全てのスタッフに一番オススメ
メリット
- 語り口調で説明も分かりやすい。専門じゃない人にも分かりやすい。
- エビデンスがどうなっているかという説明も十分。主要な臨床試験は網羅。
- 吸入器をはじめとして、実践的な内容も充実している。実際働くならという視点で書かれている。
- エビデンスと実践のバランスが素晴らしい
デメリット
- 画像はあまり書かれていない。
- 専門家には物足りない
こんな人にオススメ
- 研修医
- 看護師
- コメディカル
値段、サイズなど
- 4200円、348ページ、A5サイズ、2016年発売
内容紹介
COPD(慢性閉塞性肺疾患)のすべてがわかる読み物要素の詰まったテキスト. COPDは,日本でも500万人以上が罹患していると言われている呼吸器疾患で最も多いcommon diseaseである.本書はCOPDに携わる医療従事者向けに,新進気鋭の呼吸器専門医の視点からできる限りわかりやすく,かつ楽しく読み進められるようにまとめられている.また,治療に重きが置かれ,COPD診療はこの一冊で完結できる.
(BOOKSデータベースより引用)
口コミ
私のようなものにとって非専門分野について分かりやすく学ぶことが出来ました。実戦にも役に立つ良い本です。
内容は易しめで読みやすく、2日で読み終えました。吸入薬の使い方にページを大きく割いているのが特徴です。
COPDの概略を知るには良いが、専門家には本当に物足りない。
画像については、あっさりとしか書かれていません。残念・・・
あなたも名医! COPD患者さんを診るための25のコツ─治療・リハ・管理のギモンを一挙解決! / 大藤貴(編集)
外来でのCOPDを見かたのコツに特化した本
メリット
- 外来でCOPDを診療するという視点で書かれている
- 説明もかなり分かりやすい
- リハの視点も多い
デメリット
- 医師の視点が中心
- 急性増悪は触れられていない
こんな人にオススメ
- 診療所や内科外来など、専門ではないけどCOPDをよく診るという人
- リハビリも充実しているので、PT/OT/STにも良いかも
値段、サイズなど
- 3500円、168ページ、B5サイズ、2018年発売
内容紹介
超高齢社会を迎えたわが国で、患者数の増大が危惧されるCOPD。本書は非専門医がCOPD診療を行う上で「なぜ?」と思うことや「具体的にどうしたらいい?」といった日頃知りたい25の疑問に答える形で解説。COPD診療の実践書として役立つこと間違いなしの1冊です。
(BOOKSデータベースより引用)
口コミ
クリニック院長1年目の外科医です。病院在職中最も縁のなかった領域を大変解りやすく説明されており、日頃の診療に役立てております。ありがとう御座いました。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン〈2018〉 / 日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版作成委員会 (編集)
現在のCOPDの標準治療がまとめられたガイドライン
メリット
- 現在のCOPDの治療で、最も信頼できる一冊(ガイドラインですから)
- 専門家でも、正直ガイドラインを読めば知識としては十分働ける
デメリット
- 医師以外の職種で、新人がいきなり読むのはオススメしない。
- あくまでガイドラインなので、例えば吸入器の使い方などの実践的な内容はあまり書かれていない
こんな人にオススメ
- 医師
- 医師以外でもガチ勢な人
値段、サイズなど
- 3500円、169ページ、A4サイズ、2018年発売
口コミ
改定されたCOPDガイドラインの要点等、具体的で誰もが容易に理解しやすい。
まとめ:COPDの本のオススメはこれ!
研修医からコメディカルまで、全てのスタッフに一番オススメ
COPDの教科書: 呼吸器専門医が教える診療の鉄則 / 倉原優、林清二
まずは、手持ちの呼吸器内科の本があれば、そこのCOPDのページを読むのがいいです。
そこからさらに詳しく見たい人には、この本が間違いなくオススメ。むしろこれ以外は要らないです。
読みやすさはピカイチ。あとエビデンスと実践のバランスが素晴らしいです。大事な臨床試験はしっかり紹介されていて、なおかつエビデンスでは分からない、実際に働くのに必要な知識やコツもしっかり紹介されています。
しっかり勉強したい医師にオススメ
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン〈2018〉 / 日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版作成委員会 (編集)
現在の標準治療をきちんと知りたければやっぱりガイドラインです。特にCOPDはガイドラインがしっかりしているので、この一冊で専門家でも十分です。内科医なら一度は目を通した方がいいと思うし、医師以外でもガチ勢なら読んでいいです。
以上、参考になれば幸いです!