血液ガスをちゃんと勉強したいんだけど、なにかいい本ないかなぁ。
こんな疑問に答えます。
執筆者:ひつじ
- 2009年 研修医
- 2011年 呼吸器内科。急性期病院を何か所か回る。
- 2017年 呼吸器内科専門医
このブログでは以前に血ガスの読み方も紹介しましたけど、さらにちゃんと見るなら本での勉強も必要です。
>>血液ガスの読み方を解説した記事[血液ガスの基準値の一覧は?【結果の読み方も一緒に解説】]
そこで、血液ガスのオススメ書籍をここでは紹介します。
kindleや楽天ブックスにあった口コミも合わせて紹介します。
分かりやすいよう、難易度の低い順からまとめています。
- ナース・研修医のための世界でいちばん簡単に血ガスがわかる、使いこなせる本
- 竜馬先生の血液ガス白熱講義150分
- Dr.大塚の血液ガスのなぜ?がわかる―基礎から学ぶ酸塩基平衡と酸素化の評価
- やさしイイ血ガス・呼吸管理〈ベストティーチャーに教わる人工呼吸管理の基本と病態別アプローチ〉
- 血液ガス・酸塩基平衡に強くなる〜数値をすばやく読み解くワザと輸液療法の要点がケース演習で身につく
ナース・研修医のための世界でいちばん簡単に血ガスがわかる、使いこなせる本
新人の看護師など、血液ガスが苦手な人に向けて易しくかかれた本
メリット
- 研修医、新人看護師と講師の対話形式
- ポップで軽く読みやすい
- 本自体が薄いので早く読める
- 初心者向け
デメリット
- 内容はかなり初心者向けで、すでにある程度知っている人には物足りない
こんな人にオススメ
- 新人の看護師など、血液ガスが苦手な人
値段、サイズなど
- 2200円、126ページ、サイズA5、2016年発売
口コミ
血ガスが苦手でしたが、この本のおかげでデータを見るのが少し楽しくなりました。会話形式で読みやすいです!
酸塩基が分からない人。これ読んでください!とても分かりやすいです。一冊読み終わる頃には、すっかり理解できます。看護学生の方も是非。
作者の小ネタが多くて要点まで行くのに時間がかかります‥私には合わなかったです。 親父ギャグ的要素多めだから時代に合わない感じはありました‥昭和感。
基本のことはこれでわかりますが、もう一歩進んだ内容が欲しかったので、少しもの足りませんでした。
竜馬先生の血液ガス白熱講義150分
全ての医療職の初心者にオススメできる一冊
メリット
- 丁寧な語り口調で読みやすい
- 難しくなりがちな生理学に深入りしすぎないのが、また分かりやすい
- 血液ガスを読むのに本当に必要なものに絞ってくれててるので、大事なポイントがどこかも分かりやすい
- タイトルにあるように、血液ガスに必要な知識を早く学ぶにはオススメ
デメリット
- 血液ガスに慣れている人には物足りない
こんな人にオススメ
- 研修医、看護師を始めとして、いろんな医療職の初心者の人
値段、サイズなど
- 2200円、136ページ、サイズ、2017年発売
口コミ
世の中には血ガス解釈の本はたくさんあるが、これほど明確でポイントを絞り、絶対に押さえておくべき「重要なこと」を明示した本はいっそ清々しい。
計算に使う数字がなぜこの値なのかの説明や図示により、単純暗記せずに済む点もポイントが高い。いくつか初学者にとっては機序、基準値が分からないようなものも出てくるかも知れないが、知らなくても読み進める事はできる。
医師には少し物足りない気がしますが、教育用には病棟に1冊あってもいいかもしれません。
Dr.大塚の血液ガスのなぜ?がわかる―基礎から学ぶ酸塩基平衡と酸素化の評価
血ガスの基礎から発展までまんべんなく学べる
メリット
- Aラインからの採血方法が書いてあったり、内容はやや看護師より。ただ、普通に充実してるので医師でも全然勉強になる
- ボリュームも結構あって勉強できる
- アシドーシスの時の対応法、酸素の投与法など、プランの部分にも踏み込んでる
デメリット
- 初心者がいきなり読む場合はもっと簡単なものはある。ただ、丁寧に説明されているので、初心者からいきなり詳しくなりたい人でもOK
こんな人にオススメ
- ある程度血液ガスの知識があって、さらに精度を上げたい看護師、コメディカル
値段、サイズなど
- 3520円、257ページ、B5サイズ、2012年発売
口コミ
内容が豊富な割に3200円と安いのも良いです。色々な本を読みましたが、初学者の医師はこれを読むのが一番良いと思います。
やさしイイ血ガス・呼吸管理〈ベストティーチャーに教わる人工呼吸管理の基本と病態別アプローチ〉
酸塩基平衡よりガス交換を詳しく学びたい人にぴったり
メリット
- 血液ガスでもかなり呼吸器に特化している。後半は人工呼吸器やCOPDなどの話がメイン
- オールカラー
デメリット
- 酸塩基の部分はかなり薄いので、いわゆる血液ガスの読み方を学びたい人は、他の本の方がいい
こんな人にオススメ
- 血液ガスから、酸塩基でなく呼吸器への活かし方を主に学びたい人
値段、サイズなど
- 4400円、224ページ、B5サイズ、2016年発売
口コミ
図と文章のバランスが絶妙でカラーも使用されていて、言い回しも非常に分かりやすく、きれいにまとめられている。
病態から実際の呼吸器管理まで非常に簡潔に記されています。研修医からコメディカルまで幅広くおすすめできます。
次第に人工呼吸器の話にうつっていくのだが、どうしても冗長に感じてしまうのは否めない。良書だと思うが、類書もあり、独自性はなさそうに感ずる。
血液ガス・酸塩基平衡に強くなる〜数値をすばやく読み解くワザと輸液療法の要点がケース演習で身につく
名前の通り、血液ガスに強くなれる
メリット
- 内容は医師寄り
- ケースを解きながら学んでいくのだけど、ケースの数がかなり多いので実践に強くなれそう
- 後半ではポイントもまとめてある
デメリット
- 初心者がいきなり読むと難しい。少なくとも知識ゼロの人は避けるべき。
- ガス交換の話は書かれていない
こんな人にオススメ
- ある程度血液ガスの知識がある医師で、さらに血液ガスの精度を上げたい人
値段、サイズなど
- 3960円、244ページ、B5サイズ、2013年発売
口コミ
血液ガス・酸塩基平衡について別の本(2000円ぐらいの物がいくつか出ています)で勉強したから、こちらを読むと良いと思います。症例がたくさん載っていて、解説も豊富で、これ一冊でも血液ガス・酸塩基平衡について知識が深められます。
まとめ:血液ガスの本のオススメはこれ!
研修医、看護師を始めとして、全ての医療職にオススメな最初の一冊
「ナース・研修医のための世界でいちばん簡単に血ガスがわかる、使いこなせる本」も同じく初心者向けですが、こちらの方が必要な知識ももれなく入っていてオススメ。読者に語りかけるような口調で、頭に入ってきやすいです。
ある程度知識がある看護師、コメディカルで、さらに精度を上げたいという人にオススメな最初の一冊
先ほどの「竜馬先生の血液ガス白熱講義150分」に比べて少し詳しめです。酸素の投与方法といった、プランの部分にも踏み込んでいます。
医師は、後述する「血液ガス・酸塩基平衡に強くなる〜数値をすばやく読み解くワザと輸液療法の要点がケース演習で身につく」の方が向いているでしょう。
ある程度知識がある医師で、さらに精度を上げたいという人にオススメな最初の一冊
問題を解きながら学ぶ形式で、ある程度血液ガスを読んだことがある前提で書かれています。内容自体も基礎というよりは発展編。
ケースの数も多いので、全部解いたらかなり血液ガスに強くなれます。